キンモクセイが揺れる頃

キラキラした存在にただただ憧れる.推しは世界に優しいです.このブログに登場する「女」は全てわたし自身のことですので悪しからず.

今夜,世界からこの恋が消えても

今夜,世界からこの恋が消えてもを観た.

 

始まりは,プロモーションが目に止まったこと.

台本の読み合わせをする主演の2人と監督の様子をみたのがきっかけだった.

公開よりもだいぶ前のことだったと思う.

おそらく私服の道枝駿佑くんと福本莉子ちゃん.

莉子ちゃんの私服が,私の勝手なイメージと違って黒でカッコよかった.

あれ?かっこいい系なの?と思って視聴を進めると,

途中で莉子ちゃんが泣いた.

道枝くんが支えるから,と言った監督に

「ぼく,頼りないんで…頑張りますけど…」と言った道枝くんがいた.

なんだ,この面白現場?

 

台本の読み合わせの様子なんか,ど素人のど一般人の私なんか見たこともなかったので,

こんな感じなのか〜と思って見てたら,突然の涙と頼りなさすぎ男の登場.おもろ.

 

誤解をおそれずに言うと,

莉子ちゃんが,主人公の背景をいっぱい考えようとして質問しているのに

大丈夫だよ,という監督に

そういうこと聞いてるわけじゃなくない?と思ったりした.

でも,世の中の映像は切り貼りされたものだって私も知っているので,

もしかして文脈が違うのかも?とおもったりもした.

結局その部分のすり合わせをどんなふうに行ったのかわからないけれど,

ちゃんと背景を知ろうとする莉子ちゃんの姿に,めちゃくちゃ興味を持った.

ので,公開が待てなくて原作を読んだ.

 

 

原作を読んでボロ泣きした.

 

多分,透くんみたいな人はこの世にいないと思う.

でも,どこかに存在していたらいいなと思う.

そういう優しさと透明感の塊みたいな人だと思った.

配役を先に見たから,というのもあると思うけど,

道枝くんの雰囲気にぴったりだと思った.

 

透くんのこと大好きになったのに,あっという間にいなくなってしまった.

押し付けじゃない愛

綺麗ごとなんだけど,綺麗ごとで終わらせないで欲しい,

そういうぎりぎりのラインで,もしかしたら存在するかも,したらいいなと思える人.

世界中の優しさを切り取って集めて作ったみたいな人.

近くにいたら普通に好きだわ.

 

 

そして,ついに公開されたので映画を見に行った.

 

とりあえず,上演中に携帯開くのみんなやめて…

2時間くらい我慢してとほんとに思う.

 

 

映画は,展開がスピーディーだった.

2時間だから仕方ない.でもギュギュと詰め込まれていた.

映画を見て,

出だしで「もう6月なの?」といった真織ちゃんにギュッとなった.

私は,前向健忘の人に会ったことがある.

自分の知らない間に世界が回っていく恐怖は

簡単には想像できないけれど,この台詞に詰まっている気がした.

 

映画の透くんは,やっぱり透明感がすごかった.

自分は犠牲になっていないと,言葉にして伝えたり,

最初の全然人生楽しくなさそうムードから,

真織ちゃんといて楽しそうに笑う姿.

ペンギンのキーホルダー忘れられちゃって現実と向き合う姿も.

そして,やっぱり

あっという間にいなくなってしまった.

儚い.

 

真織ちゃんは,明るい.

毎日毎日受け止めなきゃいけないいろんなことがあるけど,

学校に行っててえらい.

新しいことに挑戦しようとしてえらい.

人の話を素直に聞く姿勢があってえらい.

時々自虐するけど,鬱々としていなくてえらい.

 

泉ちゃん

原作を読んだ時より,もっと好きになった.

「やりたいと思う,やれることだけやるから」というような台詞

(忘れたのであとでもっかい原作読むか…)

迷惑かけてごめんね,という真織ちゃんに対しての台詞なんだけど

これが…後々めちゃくちゃに効いてくると思う.

そして,絶対に良かれと思って苦渋の決断でした記憶の改竄について

泣きながら謝る姿にもグッときた.

友達の幸せを願う,優しい子だと思う.

 

映画の中では,

「明日の日野を2人で騙そう.」

というセリフが一番好きで.

失敗したことは無かったことに,楽しかったことだけ

集めていけるようにしてくれる透くんとの一番いいシーンだった.

 

 

好きな流れもあった.

真織ちゃんが質問攻めしているシーン,途中で透くんの返事が曖昧になるけど,

一番最後のシーンで続きを見られて,ハッとなる.

でも多分,原作では真織ちゃん

自分で思い出したいから動画見ないって言ってた気がする.

流れとしてはすごく綺麗なシーンだったけど,そこは意図的に変えたのかな.

 

 

原作を読んでいて,このシーンも入れて欲しかった〜と思ったのは

自転車のシーン.

何日も,昨日の自分と同じことを味わいたくて

繰り返し自転車に乗りたがった真織ちゃんの話があったと思う.

透くんは何日も付き合ってくれるから.

 

あと下川くん?は引っ越ししないんかい.笑

 

 

お姉さんが,真織ちゃんの日記から弟の痕跡を消していく姿もぐっときたな.

自分だって寂しい中で,

弟が,誰かを幸せにした記録を読む経験をしながら

同時に,そこにいた弟の痕跡を消すことを引き受けてしまった.

その背中がとてもせつなかった.

 

 

花火のシーンも綺麗だった.

忘れたくない.と強く願ってもこぼれ落ちていってしまう記憶はたくさんあって.

忘れたくないな,と思ったことすら忘れちゃってることがあるのかも.

なんてことを思いながら,

私のことを覚えていてくれる人がいる奇跡を思う.

 

 

ペンギン忘れられちゃったから,

髪飾りでリベンジする透くん,意外と根性あるし

負けず嫌いというか,食らいついていて好きでした.

 

 

帰りに続編の小説を買った.

泉ちゃん.

幸せになれるのかな?

この気持ちが続いてるうちに読もうと思う.