キンモクセイが揺れる頃

キラキラした存在にただただ憧れる.推しは世界に優しいです.このブログに登場する「女」は全てわたし自身のことですので悪しからず.

宝飾時計

高畑充希を見なければならない気がした。

奇跡の人見たことあるので、見たことはあるけど。

歌を一度は生で聞いてみるべきなのでは?

と思い立ったので急いでチケットを取った。

いきたいかも、と思った時にはチケットがない、というのが商業演劇の悪いところだ。

しかし、チケットが売れなければ演者もスタッフも困っちゃうもんね。

難しい問題。

しかし、今回は偶然に間に合ったのである。

成田凌も出てるのに!いいの???の気持ちだった。ラッキーすぎる。

 

 

劇作家の根本宗子さんは、お名前だけ知っていた。

でも、読み方は今知った。しゅうこさんとおっしゃられるのね〜

こんな話を書くとはしらなかった。

 

 

1幕は、淡々とし過ぎていてこんな感じなんだ。と正直思った。

掛け合いのスピードが速いので仕方ないのかもと思いつつ、

あんまり感情を経由してやりとりしているように見えなかった。

話の内容は結構おもしろいけどな、なんて思って見ていた。

 

2幕、それは突然色を変えた。

話の内容がグッと深ぼりになるからかもしれない。

実は周りに見えない誰かを介しているとわかったから、かもしれない。

気持ちが入っている、と感じた。

主人公なので、高畑充希の役の心情を慮ってしまうが、

私には成田凌の役の存在が大き過ぎた。

同じ気持ちになる、ということは、

そういうことを考えている人は他にもいるってこと。

そのことに触れた気がした。

 

 

 

高畑充希の役、ずっと子役時代の役を続けていたのに、急に成長が始まる。

というところから話が始まる。

成長が始まった時期と、成田凌と出会った時期が同じ、

ということが段々明かされていったので

恋をすることで、成長が促された的な話なのかと思った。

全然違った。

 

いろんな話が交錯するんだけど

全部なんか心の奥にあるわだかまりを刺激するような話だった。

 

母親に干渉されまくって、期待に応えられなくて引きこもっちゃう

自信過剰子役少女の話も。

着地がよかった。

あんたのせいだ、と口に出して言えて、

でもいないと生きられない、ありがとうと。

優しい着地。

 

 

好きなものを好きだと言えない2人の話も。

わかるな、と思った。

どうしてだか、一番好きなものを好きだと言う勇気がない。

期待されているであろう何かを探して受け答えしてしまうことがある。

でも、好きなものが同じだった大事な人のためなら

選べるような気がする。

という例えが衝撃だった。

確かに。とおもった。

 

 

でも、私は本当は自分の好きなものを何にも臆することなく

好きだと言える人になりたいのよ。

ショートケーキを選べる人になりたい。

(あまりにも衝撃を受けたシーンだったので

忘れないようにキーホルダー買ったろうと

思って買ったんだけど、デザートじゃないやつが出てヘコんだ笑

せめてデザートがよかった。

なんとなく選ばれるチーズケーキも

こんなのも知らないの?ビンボー人!の杏仁豆腐でもよかったのにさ。)

 

 

さて、成田凌ね。

出会い直したいと思って行動にうつしちゃったのがすごい。

でも、満足できなくて消えちゃった。

一生満足できないのかと思ったら戻ってきた。

会えずに終わるエンドもあると思うのでやはり優しい話だ。

 

今の自分では釣り合わないと思う気持ちはわかるけど、

あんなに喋らんことあるかね。。

あんなに頑なに言わなかった「好き」を

「大好き」で回収した。これもまた優しい。

「好き」を行動で示す派と言って欲しい女の話かと思ったよね。

自信なくて言えなかったのかな。

 

 

子役時代のゆうだいくん

失踪の直前に高畑充希のお気に入りの楽屋履きを履いて伸ばしたっておこられて

そのままいなくなっちゃたのかな?

これ、結構絶妙だなと思う。

好きな子のリコーダー舐めちゃうてきな気持ち悪さがあるようで薄い。

そんなことで?感がちょっと強いくらい。

でも、好きなものを選べない男の子が、

勝手に、好きな人の靴を履いちゃって、

周りのこに見られて囃し立てられちゃったら、

恥ずかしくて居た堪れなくなって逃げちゃうかも。

そして、成長が止まってる女の子の話なので、

何度も、きつくなってきたかな?というワードが出る。

成長は身長だけではない。

ここから動けない女の子の表現にはぴったりだったのかも。

 

そんで最後に歌ね。

舞台上にあったものがどんどんなくなって、

やっぱりまたおいてかれちゃった高畑充希がいて、

「大丈夫ですか?愛は覚えましたか?」と歌うのがものすごく刺さった。

 

今の関係を壊すのが怖くて動けない時間も、

わかってて動いた瞬間も、

約束したけど、やっぱりいなくなっちゃう夜も

全部を過ごした後に聞く歌は重たかった。

 

 

最後に会わせてくれて、大好きまで聞けたので脚本的には優しい。

でも、おばあちゃんになるまでお互い好きなのに放っておかれるのは辛い。

一番大好きを選ぶのに時間がかかったってことなのかな。

そんな勝手に巻きこまないでくれよ、の気持ちと、

自信を持って好きを言うために時間を重ねたかった側の気持ちと、

どっちもわかるような気がしてつらかった。

 

 

私がなりたい私はとっても程遠いけれど、

これからは好きを選べる人になりたいです。