キンモクセイが揺れる頃

キラキラした存在にただただ憧れる.推しは世界に優しいです.このブログに登場する「女」は全てわたし自身のことですので悪しからず.

舞台の感想など

 

 

高円寺で「サラサーテの盤」を見た。

「記憶」の話だと思う。

 

 

おじいさんが出てきて舞台の中央で寝ちゃう。

明転すると、教え子に囲まれているところから始まる。

教え子たちは4人いるのに

おじさんは「君」と言い続けていて(「君たち」ではなかったような)

みんなで話しているようにも、1人の人と話しているようにも見えて面白かった。

 

妻の妹の今際の言葉と親友の前妻の今際の言葉が

「ちぎりこんにゃくが冷蔵庫にある」

という、珍妙なもので同じだったと言う話になり、

そんなことはあり得ないが、そう思っているならば

事実ではないが真実ではあるのではという話になる。

最終的に、自分の妻の登場シーンのラストも

「さて、こんにゃくでもちぎりましょうか」だった。

 

このおじいさんが、めっちゃくちゃこんにゃくが好きな印象が強すぎる何となく放っておけない人

という事実の話なのか

段々自分で改変していった記憶の話なのか、今振り返ってみるとわからないかも。

でも、どっちもありだなと思う。

 

妻の妹さんの語りの中で出てきた

人生は長さだけじゃない。というシーンのセリフが好きだったのに

忘れちゃった〜〜〜〜〜〜悔しい。

 

 

さて。ふさ子。

親友の後妻。登場シーンが不穏な照明で

あんまりいい人じゃなさそうな雰囲気。

旦那が死んでいるのに、過去に旦那が貸したであろうものを返してほしいと

毎夜家に来ている感じで家の中には絶対入らない。そういえば何でだろ。

 

そんななのに、

旦那が前妻を忘れられないとか言ってて、

2人のシーンなのに、全然目もみないで話してて切なすぎた。

ほんとのラストにみんなで踊るシーンがあるのに、

そこも前妻と組んでて、もう!!!!と思うなど。

何でやねん。

 

サラサーテのレコードを聞いて、ハッとなるシーン。

サラサーテが演奏していて、何かを喋っちゃったところが録音されてるもので

録音を聞いて泣いちゃうふさ子。

なんでだったんだろうな。

なんて言ってるのかはわからなくて、でもそれを聞いて思い浮かべる何かがあるんだろうなと思う。

ふさ子さんが実は外国語に精通しててなんかめちゃくちゃいい言葉が入っていたのか…

それとも2人で聞いたことがあったからなのか

もう亡くなっている人の声が聞ける、と言う事実と旦那の死をリンクさせたのものなのか。

連れ子の夢枕に旦那が立っているらしかったから、これかもな。

自分だけ聞けないというのも寂しいものだもんな。

何となく伝わってくるものがあったんだけど、

はっきり見えない余白が面白かった。

 

あと、テリーさん!

誰?ってなっていたのが、わかったーってなる瞬間。

これぞ、舞台の面白さだよなと思いました。

 

あんなふうに回収できるお話が書けたら面白いのにな〜