キンモクセイが揺れる頃

キラキラした存在にただただ憧れる.推しは世界に優しいです.このブログに登場する「女」は全てわたし自身のことですので悪しからず.

ミュージカルを見た話 今更リューン

 

リューン 風の魔法と滅びの剣

 

というミュージカルのプレビュー公演を見ました.

プレビュー公演てなんぞやって言う感じだけど.

 

あまり他の座組のことがわからないのだけれど,

このミュージカル.

公式ツイッターの稼働がすごい.

 

演者さんのまりゑさんという方が更新しているらしい.

写真が多い.

ビデオも多い.

 

再演ということらしく,前回と同じ演者と新しい演者とまぜこぜ.らしい.

それにしても仲良しの様子.

今稽古はこんな段階にきたよ.とか

この人はこんな感じで楽しんでいるよ.とか.

とにかく発信がすごい.

 

こんなに当日までのカウントダウンを楽しみに,

しかも演者さんと気持ちを共有しているような気持ちになりつつ

観にいった公演ってないかも.と思う.

ワクワク感が段違い.

 

しかし,完全なファンタジーって多分初めて見るので

自分がどんな気持ちになるのか…

と思っていたけど.

 

歌が良かったとても.

みなさんとっても上手.

 

主演の二人の歌も良かった.声が通る感じがした.

歌詞が重々しいものから,ポップなものまで多岐にわたっていて,

楽しく,思わず体を揺らしてしまうような歌もあれば,

家族を失った描写が細かく歌われた歌もあり…

ミュージカルって,メロは同じなのに,転調したりリズム変えたり

いろんな歌い方している曲があって難しそうだな,と思う.

みなさん,出てない時もコーラスに参加したりしているらしい.すごい.

 

 

照明も綺麗だった.ファンタジーだとこういう演出もできるんだ.

青い光の玉がたくさん舞っているのをみた.どうなっていたのだろう.

虹が出てくる場面があったけど,舞台上ではなく,

会場の方に向けて7色の光源を向けて,客席に虹をかけたのはすごかった.

演者は自然と客席のほうをみてセリフを言うし,虹色に照らされた客席は

なにより綺麗だった.希望のシーンだったので,客席を明るく照らす演出が良かった,

 

お話は…切なかった.

戦争孤児の子が,自分の村を焼いた相手を倒すため,滅びの剣に触れてしまい,敵も味方もなく殺してしまう.というあらすじから,完全に操られて殺しちゃうんだと思ってたら,操られたり,正気に戻ったり行ったりきたりしてた.正気に戻ると,困り顔で「僕に近づかないで,お願いだから」と声の限りに叫ぶ様子を見るのが辛かった.頭でわかっているのに,手が勝手にこれまで良くしてくれた人を滅多刺しにしていくのを見る.自分がやっているという意識もある.というのが悲しい.すぐにまた操られてしまうのだけど.

同じ村出身の,同じ名前の仲間の声を聞いた時だけ,剣の動きを止めることができる.という設定も切ないけど,二人の絆の強さを描いているようで良かった.

 

私がなにより悲しかったのは,二人が最後に一緒に帰れなかったこと.

何より悲しかった.そこで泣いた.

滅びの剣をなんとかすることができたけど,二人はハイタッチすることすらできなかった.剣を持ってしまった方は,弔いのたびに出ると言って,一緒に村には帰らなかった.いつか帰ってこられるように,というような終わりになっていて.でも殺した数が多すぎて,いつまでかかるかわからないというセリフもあってつらい.

あんなに一緒にいたのに.いっしょにいられなくなってしまった二人が悲しかった.

 

そして,カーテンコールが面白すぎた.

あんなおもしろいカーテンコールある?

 

滅多刺しにしていたあの子は,自分のことばで喋ろうとすると

グダグダになっちゃうお茶目さんのようでした.

前の子の言葉をなぞってしまうし,

毎公演初心者にもどって頑張ると宣言したり…

面白かったです.さっきの舞台がちょっと暗いので

これでチャラになっていいのかも.笑

 

まわりの共演者の方もクスクス笑って

本当に暖かい雰囲気だったのがすごい.

こうやって演劇はつくられていくのだなとおもった.

 

 

ミュージカルも奥深い.

原久美子さんは戦争のお話を多く書いているのかな?

他もぜひ見たいと思いました.